【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「ならあなたが言う釣り合ってるが、どういうことか説明してください。 私にも分かるように、説明してもらえますか?」
私を睨みつけた彼女は、「……つまり、立場逆転って訳ね」 と悔しそうに呟く。
「いいから、質問に答えてください」
「うるさいわね! 私に指図しないで!」
藤堂さんは壁をバンッと叩いて、私にそう怒鳴り付けた。
「言わなくても、分かるはずじゃないですか」
彼女が私の言葉に黙り込んでしまう。
「藤堂さん、質問に答えてください。あなたが言う釣り合ってるが、どういうことなのか、私に分かるように説明してください」
「………」
「藤堂さん、何か言ってください!」
私がそう怒鳴ると、藤堂さんはそのままドアノブに手をかける。
私は思わず、その背中に「あなたはまたそうやって逃げる気ですか?」と声をかけた。
「は? どういう意味?」
「あなたは課長のことで、都合の悪いことがあるとすぐそうするじゃないですか。……逃げれば全てが解決するなんて思わないでください。逃げたら、負けなんです」
「うるさいわね! もう黙りなさいよ!」
藤堂さんは再び私の胸倉を掴んで、壁に押し付けた。
「……どうぞ。殴りたきゃ殴ってください」
「っ……」
藤堂さんは唇を噛みしめ、静かに胸倉を放した。
「一つ言っておきます。私はあなたなんかに課長を渡しません。……絶対に」
「あっそ、好きにしたらいいわ。でも私は諦めないわよ。絶対恭平さんを取り戻してみせるから」
「私だって負けません。課長は絶対に渡しません」
「……勝手にしなさい」
藤堂さんはそう言い残し、そのまま私の前から立ち去っていった。