【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「おや、佐倉さん?」
ホッとしたのもつかの間だった。 会議室を出た所で、課長と鉢合わせしてしまった。
「か、課長……!?」
どうしよう、今の課長に見られてないかな……?
「どうしたんですか?こんなとこで」
私はそう聞かれたので、「いえ、なんでもありません。……ちょっと営業部に、用がありまして」と答えた。
「営業部に……ですか?」
「は、はい。 渡し忘れていた資料があったので、届けに行ってたんです」
「そうですか。 それはご苦労様でした」
「……はい。失礼します」
良かった……。なんとか誤魔化せたかな。
課長との関係がバレないように振る舞うのは、正直言ってすごく大変。
会社での私たちの関係は、ただの上司と部下。 さっき課長は常務と一緒にいたけど、常務の前で話すのも結構苦労する。
まあ、藤堂さんこともあるから、ハッキリ言って今すごく気まずい。
課長と私は同じ部署で働いていて、しかも地道に交際を重ねている。
なのにそこに藤堂さんが入ってくることで、課長との関係がギクシャクするような気がしてならない。
しかも藤堂さんは課長の元奥さんで、今私たちは彼女たちと新しいプロジェクトの開発を進めている。
でも藤堂さんは課長がまだ好きで、課長とやり直そうとしている。
課長は私をすごく愛してくれているし、私だって課長のことを誰よりも愛しているの。
「私たちの関係を……あの人なんかに壊されたくない」
私たちの恋は、この先もずっと続いていくものだから。……私は彼を、ずっと支えていく覚悟なら出来ている。