【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
そう、私はたぶらかした訳ではない。
「とにかく、絶対あの女に課長を取られちゃダメよ。 いいわね?」
「……うん、分かってる」
私は藤堂さんに課長を渡す気なんて、さらさらない。
絶対に渡さないーーー。
「よし、とりあえず私は、あの女が課長に近づかないようになんとかするわね」
「いいの?」
「当たり前じゃない。私に任せて」
「……ありがとう」
なんだか沙織がいてくれるだけで安心する。
確かにちょっと不安はあるけど、沙織がいれば不安もなくなるような気がする。
「沙織、この後の会議って何時から?」
「この後? えっと……あ、営業部と企画部の合同会議だわ」
「そう、分かった」
営業部と企画部の合同会議か……。長くなりそうだな。
「瑞紀も他に会議にも入ってなかった?」
「うん。二つくらい重なってる」
「そう。 じゃあ今日は、お互いに忙しくなりそうね」
「本当にね。今日は徹夜かも」
なんて言ったら「大変ね。くれぐれもムリはしないでちょうだいね」と沙織が優しい言葉をくれる。
「分かってる。ありがとう」
「ねえ、これから営業部の人と食事するんだけど、瑞紀もどう?」
営業部の人と食事か……。
「ああ……いいや。まだ残ってる仕事あるし」
私も会議の資料に目を通さないとならないし、食事はまたの機会にしよう。
「そう。 いい?くれぐれもあの女には気をつけなさいよ」
「分かってる」
沙織の言う通り、私は藤堂さんに気をつけないと……。
彼女はどこから現れるか、分からないから。
「じゃあ、私行くわね」
「うん」
沙織はそのままお昼を食べに出た。