【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
そんなに悲しそうな顔で見られたら、私はどんな反応をすればいいのだろうか。
素直な気持ちを受け入れるべきなのかも、分からないままだ。
「……英二」
「わかってましたよ。先輩が俺を、見てないことくらい」
英二の気持ちを、私はずっと気付かないフリをしていたのかもしれない。
「先輩はずっと俺じゃなくて、課長を見てたことは知ってました」
そんなことを言われたら、申し訳ない。
「……ごめんね、英二」
「いいんです。謝らないでください」
「……じゃあ私が課長のことが好きだってこと、ずっと気づいてたの?」
そう聞くと、英二は「はい。 先輩が課長を見てる時の目は、俺を見てる時の目と全然違いましたから」と私に言った。
そっか。英二も、気付いていたんだね……。
「……英二は勘が鋭いね。私のこと、本当によく見てるね」
「でも俺は……課長にはなれないです」
「え……?」
「できることなら、俺も課長になりたいです。……でもそれは出来ません」
英二はとてもいい人なんだ。優しくて、私を尊敬もしてくれる。
「英二……英二の気持ちは、よくわかるよ」
「俺だって、先輩が好きなんですよ。 でも俺は、課長には勝てません」
英二……。
「俺は課長みたいにカッコよくないし、頭だってよくない。あんなに裏表のない性格でもないし、誰からも好かれるような要素だって持ってないですき。……俺は所詮、ヘタレなんですよ」
英二がヘタレだなんて……そんなことない。
「そんなことないよ、英二。英二には英二なりの優しさがあるじゃない。 しかも英二は仕事熱心だし、誰よりも努力してるじゃない。……私はそんな英二の努力を、知ってるよ」
そう言って英二を見つめると、英二は俯き静かに口を開いた。