【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 私のことをいつも思ってくれるし、英二なりに優しさをくれる。 それなのに私が好きなのは課長で、英二はただの部下でしかない。
 英二はいつも優しくて、どんな時も私のことを想ってくれている。

「……ありがとう、英二」

「はい。 先輩は、やっぱり笑ってる方がいいっすよ」

「……え?」

「だから泣き止んでください。そんなに腫れた目じゃ、仕事に集中出来ないっすよ」

 英二は私にそんなことを言うから、私は「……うるさいな」と涙を拭った。

「……先輩、俺にもいい人、現れますかね?」

「大丈夫だよ。 きっと英二にもいい出会い、あると思うよ」

「……はい」

 英二は、笑ってる方がいい。 それは英二の笑顔が私たちを明るくしてくれるから。

「英二も笑ってる方がいいよ。 そうやって笑ってる方が、英二らしい」

「……ありがとうございます」

「いいえ。……よし、そろそろ仕事に戻ろうか」

「はい。そうですね」

 もしかしたら英二は、私なんかよりずっと大人なのかもしれない。 
 私はただ課長に甘えてばかりで、英二みたいに積極的になれなかった部分があることに気付いた。
 それに私は弱いし、なんの努力もしていない。 そう思うとやっぱり、私なんかより英二の方がずっと何倍も大人なんだと思う。

 私は課長が好きで好きで仕方ない。 課長のことが愛おしいけど、私は少し課長に頼りすぎていたような気がする。
 課長に甘えていたことで、自分になにが足りないのかを、英二によって気付かされたような気がする。
 英二の気持ちに応えられない私は最低かもしれないだけど、英二の気持ちはムダにしたくないな。
< 162 / 251 >

この作品をシェア

pagetop