【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。

＊　＊　＊




「……ちょっと、瑞紀？」

「………」

「瑞紀？」

「………」

「ねえ、瑞紀ってば……！！」

　いきなり沙織に肩を叩かれて、ビックリした私は「ふえっ……！？」と変な声が出た。

「ちょっとアンタ、私の聞いてた？」

「……すみません。聞いてませんでした」

　沙織の話なんて、全く聞いてなかった。

「ったく……アンタはなんで、いつもそうなのよ。人が大事な話してる時くらい、ちゃんと聞いてなさいよね」　

　沙織からそう言われた私は、「……ごめん」と返事をした。

「何があったか知らないけどね、自分のプライベートを仕事場に持ち込まないで？　公私混同しないで」

「……ん、ごめん。これからは気をつける」

　ため息を付く私に、沙織は「そうしてちょうだい。みんなに迷惑がかかるから」と喝を入れられる。

「……うん」

　沙織の言ってることは、いつだって正しい。
　でもこれは、私のためを思って言ってくれたことだってことは、わかっている。

「あ、そうだ瑞紀」

「ん……？」

「さっき課長が、呼んでたわよ」

　え？　課長が……？
　私を呼んでいる？　なんでかな……。

「そうよ。なんでも、アンタに話があるんだって」

「話？……うん、わかった」
　
　そんな私を心配しているのか、沙織は「アンタ、本当に大丈夫？」と問いかけてくる。

「……え？」

「なんか元気ないわよ？なんかあった？」

「……ううん、別に。なんでもないよ。　ただちょっと、疲れただけだから」