【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「そう? まあ、あんまりムリはしないでね」
「うん、ありがと」
そうだ……確かに沙織の言うとおりだ。 いつもみんなに、仕事場に自分のプライベートを持ち込むなって言ってるのは私たち。
なのにそんな私が、仕事場にプライベートを持ち込んでみんなに迷惑をかけている。
沙織にそう言われて、改めて反省した。
そうよ、ここは仕事場。 仕事場にプライベートを持ち込むのは、みんなの迷惑になる。
私がしっかりしないと、みんなをまとめられないもんね。……頑張らなくちゃ。
「瑞紀、これお願い」
「えっ、なにこれ?」
沙織から資料の山を渡してくる。
「なにって、明日会議で使う資料だけど?」
「……沙織って、こんな難しそうな企画担当してるんだね」
「そうよ。まあ営業部が協力してくれてるから、大分楽だけどね」
「ふーん……そうなんだ」
これを読むだけで、頭が痛くなりそうだ。
「後は契約書の作成と、サンプルの作成するだけなんだけどね、これがなかなか難しくてね。うまくいかないのよ」
「そっか。……色々と大変なんだね」
「本当よね。今日も残業しなきゃだし」
「それはお気の毒ね。頑張って」
沙織は私に「ありがとう。頑張るわ。 あ、これコピーしたら机の上置いといてくれる?」と言ってくる。
「うん、わかった」
沙織はどこかへと消えていった。
「……ねえ、英二」
私は英二に話しかける。
「はい?」
「沙織ってなんか変じゃない?」
私がそう聞くと、英二は「え?なんでですか?」と不思議な顔をする。
「いや、なんとなく様子がおかしいような気がしてさ……」