【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「そうですかね?いつも通りだと思いますよ?」
「……うーん。やっぱ気のせいなのかな」
でも私には、沙織が考えてることなんてわかるはずもなくて……。
沙織が今どんな状況におかされているのかも、気付いていなかった……。
「……でも言われてみれば、そうっすよね」
「え?」
英二は紙パックのオレンジジュースを飲みながら「なんか沙織先輩、この頃変ですよね?」と私を見る。
「やっぱり?英二もやっぱりそう思う?」
「はい、今日はなんかいつもより元気ないっすよね。いつもはコーヒーを飲んでるのに、今日は全然飲んでなかったっすよ?」
「えっ?本当に?」
「はい」
コーヒーが大好きな沙織がコーヒーを飲まないなんて、やっぱりおかしい。
そういえばさっき、お昼もまともに食べてなかったって、同僚の女の子が言ってたな。
本当に、どうしたんだろう? なんか悩みでも、あるのかな……?
それともストレスで、体調を崩してるとかなのかな?
うーん……それはなんか、心配だな。
* * *
「あれ、沙織は?」
翌日の午前中、営業から戻った私は、沙織の姿がないことに気付いた。
「あ、おかえりなさい、先輩。お疲れ様です」
「ねえ、英二?」
「はい?」
私は英二に「沙織、出勤してない?」と聞くと、英二は「はい。今日は朝から姿見てないですよ?」と言われた。
「そうなの?」
「はい。なんか体調不良みたいです」
「ふーん……そっか」
沙織が体調不良……。大丈夫かな?
「多分、疲れが出たんだと思いますよ? 最近顔色悪かったですしね」
「そっか……わかった。ありがとう英二」
それにしても心配だな……。
「ねえ、英二」
「はい?」
オレンジジュースを飲み干す英二に、私は「アンタさ、今日の夜空いてる?」と問いかける。