【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「今日ですか? まあ、空いてますけど……」
「それならちょうどいいわ。 悪いんだけど、沙織の家に行くから、英二も付き合ってくれない?」
私が英二にそう伝えると、英二は「えっ、俺もですか?」と私を見る。
「なによ。イヤなの?」
「いえっ!全然、いいですけど」
半ば強引に英二を誘い出た私は、「よし決まりね。 アンタは、もちろん荷物持ちね」と笑顔を向けた。
「えっ!?」
「具合の悪い沙織のために、とびっきり美味しいご飯を作ってあげようと思ってるの」
私がそう言うと、英二は複雑そうな顔で「……先輩って、料理出来るんですか?」と聞いてくる。
「なによ。そのバカにしたような言い方は」
「いえっ!ただ、料理苦手そうな感じがしたんで……」
「私だって料理くらい出来るわよ」
その言葉を聞いた英二は、「本当ですか?」というような目で私を見ている。
「なによ?」
「いえ、なんでもないですけど」
英二……何か言いたそうな顔をしているわね。
「……ちょっと、意外って顔しないでよね」
「し、してません! 意外だなんて、これっぽっちも思ってませんっ」
「本当に……?」
なんか、怪しいわね? 英二ってば、私が料理出来ないって思ってるの?
「本当です」
「……まあいいわ」
私は課長の元へ行き「課長、今日は倉本さんがお休みしてるとのことなんですが、課長に何か連絡はありましたか?」と聞いてみる。
「ありましたよ。体調不良で休みますとしか聞いてませんが」
「そうですか、わかりました。……失礼します」
私は自分のデスクに戻ると、沙織にメールを入れたが、案の定返事はすぐに返ってきた。
【心配してくれてありがとう。 でも大丈夫よ】
本当に大丈夫かな……。やっぱり心配になってきたな。
沙織が結構忍耐強いのは、知ってるけどね。