【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
■妊娠発覚。
ピーンポーン。
そして仕事が終わった夜十九時過ぎ。沙織の住むマンションに着いた私たちは、インターホンを押した。
「はーい。どちら様?」
「沙織?私よ。来ちゃった」
「……はっ?」
あれ……? なんか反応が……。
「……何?わざわざ来てくれたの?」
「どうしても沙織の様子が気になっちゃってね。大丈夫かなぁ、と思って」
「あいにくだけど、心配はいらないわ。大したことないから」
と言われたけど、私はせっかく来たのだから「まぁそう言わずに、中に入れてよ。疲れちゃった」とインターホン越しに伝えた。
「全く。……しかも英二まで一緒なのね」
「英二も心配らしいから、連れて来ちゃった」
英二が「先輩、お疲れ様です。来ちゃいました」と笑顔を見せると、沙織は「……とりあえず入りな」と鍵を開けてくれた。
「ありがとう」
「お邪魔します」
二人で家の中に入れてもらう。
「どっか適当に座って。 コーヒーでいい?」
「うん、ありがとう」
「すいません。ありがとうございます」
英二が笑顔を見せると、沙織は「いいわよ別に。せっかく来てくれたんだから、ゆっくりしてって」とキッチンに行く。
私たちはソファーに座って上着を脱いだ。
「全くアンタは、家にくるといつもそうなんだから。くつろぎすぎじゃない?」
「いいじゃん。ここは第二の我が家なんだから」
「ほら、すぐ調子のいいこと言って。仮にも他人の家なんだからね」
と言われながらも「わかってるよ」と返事を返した。