【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「はぁ……まったく」
ため息を付く沙織だけど、沙織にもいつもの笑顔が戻っていたような気がした。
「先輩の家って広いっすねぇ」
「そう? まあ一人暮らしするには、ちょっと広いよね」
「羨ましいっすよ。俺んち家なんてボロクソっすよ」
英二がそう言うから、私は英二に向かって「いいじゃないの、家族だんらんで。 私なんて一人で暮らしてるから、結構寂しいんだから」と伝えた。
「やっぱり先輩にも、寂しい時あるんすね」
「ちょっと英二、それどういう意味?」
「いえ、なんでもないっすよ」
全く……。私のことなんだと思ってるのかしら?
「はい、コーヒー」
「ありがとう」
「すいません。ありがとうございます」
「……ところで、アンタ」
沙織がソファに座り、私を見る。
「ん?なに?」
「その袋はなに?」
沙織が私の持っているスーパーの袋に目をやる。
「あ、これ? 今日は沙織のために美味しいもの、作ってあげようと思って買ってきたの」
「いいわよ、別に。 私だって具合悪くたって、料理くらい出来るから」
「いいじゃん。せっかくだから、なんか作るよ」
と言ってみたが、沙織な「いいわよ。私が作るから、アンタは大人しく座ってなさいよ」と言ってくれる。
「えっ、いいよ!私やるよ?」
「いいから。アンタは座ってなさい。一応お客様なんだから」
「でも……」
沙織に元気になってほしくて来たんだけどな。
「いいから、座ってて。 しかしまあ、こんなにも大量に買ってきたわね」