【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「うん。いっぱい作ろうと思って」
「アンタ、私にどんだけ食べさせる気よ」
と沙織が言うから、「アハハッ」と苦笑いした。
「全く。 でもアンタがくると、なんだか気持ちが明るくなる気がするわ」
「本当に?」
「本当よ。適当になんか作るから、ちょっと待っててね」
「ありがとう」
買物袋を持ってキッチンへ行った沙織は、すぐに準備を始めた。
「先輩、なんだかんだ言って元気そうですね」
「そうね。安心したね」
「はい。……というか先輩、あれだけ料理するって言っといて、結局人任せじゃないですか」
「だって、沙織がやってくれるって言うんだもん」
そう言った私に、英二は「……あの意気込みはなんだったんすか」と私を見る。
「い、いいのよ」
「……先輩、情けないです」
「うるさいわね。いいのよ」
「仮にも先輩は病人なんですよ? もう少しいたわってあげないと、ダメじゃないっすか」
英二がそう言うから、私は英二に「文句があるなら、アンタが手伝ってあげなさいよ」と言った。
「え?なんで俺なんすか。 先輩が俺を連れてきたんじゃないっすか」
うん、そうよね。私が連れてきたんだから、文句は言えないわ。
ちょっとは反省しないとね……うん。
「沙織、なんか手伝おうか?」
「いいわよ。テレビでも見ながら大人しくしてなさい」
「はーい」
「先輩、そういう時だけ素直になるのはやめましょうよ。仮にも病人なんですから」
私に対してそう言った英二の言葉に、沙織は反応したのか「ちょっと英二!さっきから病人病人って連呼しないでちょうだい。私は全然平気なんだからね!」とキッチンから声を出した。
「す、すいません」
「全く。 ほら英二、食器棚から三人分のお皿出して」
「は、はい!」
英二が家事をしてる姿見るのって、結構貴重かも……?
なかなか面白い。でも意外と様になってるわね。