【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「……はあ」

 課長のことを考えると、なんだかいっぱいいっぱいになりそうだ。
 なんか今の私、とてもじゃないけど余裕がない。
 ダメダメ。今は自分に集中しなくちゃ!

「課長、コピー終わりました」

 課長はコピーした資料を受け取り、それに目を通し始める。

 ああ……カッコイイ。 課長を見てると、単純にそう思うのはなぜだろう。
 確かに課長は、誰から見てもカッコイイし、仕事もちゃんと出来る人だ。
 でも課長の笑顔は、時々子供みたいで可愛い。

「……どうしました?」

「あ、いえ……なんでもありません。 失礼します」

 私は課長に頭を下げ、自分のデスクに戻った。

「瑞紀、メール来てたよ」

「メール? 誰から?」

「さあ?分かんない」

「そう。ありがとう」

 私はすぐに、パソコンを開き、メールボックスを開く。

【君は本当に可愛いね】

「……え?」 

 か、課長……!? そのメールは課長からだった。

「瑞紀、メール誰から?」

 沙織にそう聞かれて、私は咄嗟に「えっ!?あ……取引先の人からだった」とウソを付いた。

「ふーん、そう」

 沙織が前を向いた瞬間に、「はぁ……」と小さくため息を吐く。
 課長、いい加減にしてくださいよ……。一体私をを、どうしたいんですか?

 その後も課長は、あらゆる手で私に迫ってきた。
 例えば給湯室でお茶を煎れてる時。課長は私の耳元で、こんなことを呟いた。

「二人の時は"瑞紀"って呼んでもいい?」

「えっ!?」

「ダメ?」

 私はそれを聞いた時、ドキドキした。 なんだか課長に迫られると、仕事に集中できなくなりそうで……。
 しかも課長と度々目が合うせいか、課長とは目を合わせたくないとさえ思う。 私は完全に、課長という人間が分からなくなっている。
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