【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「……うん、そうだね」
そう思うのが、自然なことだよね。
「でも、航太にはまだ言わないでほしいの」
「……え?」
「航太はまだ知らないの。まだ言ってないし」
え……言ってないのか。 そっか……。
「……わかった。 それはちゃんと自分の口から言うべきだと、私も思う」
「ありがとう。ごめんね」
「……ううん」
私が頷くと、沙織は立ち上がって「さ、戻ってご飯食べようか」と微笑んだ。
「うん」
「あ、先輩!大丈夫ですか……?」
「大丈夫よ。大したことないから」
沙織は辛そうに微笑んでいる。
「そうですか。なら良かったです」
もし、もしだけど……。沙織の妊娠を航太くんが知ったら、航太くんはどう思うんだろうか。
やっぱり産んでほしいって……思うのかな?
「心配かけてごめんね」
「いえ」
航太くんのことだから、絶対そうすると私は思うけど……。でももし沙織がお腹の中の子を産むのであれば、やっぱり結婚はするべきだと思う。
お腹にいる赤ちゃんのためにも、そうするべきだとは思う。
沙織一人に負担はかけられないし、航太くんも父親として、きちんと責任を取るべきだと思うし……。
やっぱり結婚はするべきじゃないかなと思うけど、どうなんだろう……。
「さ、食べよう」
「うん」
「はい」
沙織には、幸せになってほしい。 どんな風な結末になったとしても、幸せな道を選んでほしい。
* * *