【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「……うん、そうだね」

 そう思うのが、自然なことだよね。

「でも、航太にはまだ言わないでほしいの」

「……え?」

「航太はまだ知らないの。まだ言ってないし」

 え……言ってないのか。 そっか……。

「……わかった。 それはちゃんと自分の口から言うべきだと、私も思う」

「ありがとう。ごめんね」

「……ううん」

 私が頷くと、沙織は立ち上がって「さ、戻ってご飯食べようか」と微笑んだ。

「うん」

「あ、先輩!大丈夫ですか……?」

「大丈夫よ。大したことないから」

 沙織は辛そうに微笑んでいる。

「そうですか。なら良かったです」

 もし、もしだけど……。沙織の妊娠を航太くんが知ったら、航太くんはどう思うんだろうか。
 やっぱり産んでほしいって……思うのかな?

「心配かけてごめんね」

「いえ」 

 航太くんのことだから、絶対そうすると私は思うけど……。でももし沙織がお腹の中の子を産むのであれば、やっぱり結婚はするべきだと思う。
 お腹にいる赤ちゃんのためにも、そうするべきだとは思う。

 沙織一人に負担はかけられないし、航太くんも父親として、きちんと責任を取るべきだと思うし……。
 やっぱり結婚はするべきじゃないかなと思うけど、どうなんだろう……。

「さ、食べよう」

「うん」

「はい」

 沙織には、幸せになってほしい。 どんな風な結末になったとしても、幸せな道を選んでほしい。



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