【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□友達の幸せは何か。
「じゃあ私たち、帰るね」
「うん。今日はわざわざありがとね」
「ううん」
「じゃあ気をつけてね」
「さようなら」
私たちはしばらく滞在した後、沙織に見送られて帰った。
「先輩、思ったより元気そうでしたね」
「うん。良かったね」
沙織が妊娠してること、英二には教えるべきだろうか。
でも英二はなにも知らないから、そのまま知らない方がいいか。
変な心配は、かけないようにしないとだし。
「でも先輩、なんか変でしたよね」
「えっ? そ、そうかな」
まさか英二、沙織の妊娠に気づいた……?
「よくわかんないっすけど。なんか元気そうで元気じゃないって感じ、じゃなかったですか?」
「そうかな。 まあ仕事の疲れがたまってるんだよ。最近忙しかったみたいだしね」
「……ならいいですけど」
英二はもしかして、感が鋭い……?
「沙織のこと、心配なの?」
「もちろんですよ。……たださっきも体調悪そうだったんで、気になって」
「……そっか」
よかった……。英二はまだ沙織のことについて、なにも気づいてないみたい。
もし気づかれたらたりしたら、大変なことになるよね……。
「……ねえ、英二」
「ん?」
「もし、もしもの話なんだけど。……もし彼女とか友達とかに妊娠したって言われたら、アンタどうする?」
私がそう聞くと、英二は「はい?妊娠ですか?」と私を見る。
「う、うん」
「えっ!まさか先輩……」
英二が驚くような顔をするので、「だから、もしもの話だって」と言葉を返す。
「もしも? んー、そうですね。多分嬉しいと思います。やっぱりそれが、その人にとっての幸せだと思いますしね」
「……そうだよね」
妊娠って、一つの生命(いのち)がお腹の中に宿ってるってこと。