【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
憧れ……? 私が?
でも、なんか嬉しいな。そう思ってくれてるなんて……。
「今も昔も、先輩はずっと俺の憧れです」
「……ありがとう、英二」
「いえ。それは俺の本音ですよ?」
と、英二は嬉しそうに笑う。
「……アンタは、本当に優しいんだね」
「いえ」
「英二が私の部下で、本当に良かったと思うよ」
英二は本当に優しいし、何より私のことを想ってくれているのが、嬉しい。
「ありがとうございます。俺も先輩が上司で、良かったです」
「ありがとう」
「……でも」
「ん……?」
英二は、少し表情を変えて「でも沙織先輩は、きっと今辛い……ですよね?」と私に聞いてくる。
「……え?辛いって?」
「実は俺、見ちゃったんですよね」
「……見たって、なにを?」
なんか……イヤな予感がするような、ないような……。
でもその予感は、当たってしまったようだった。
「妊娠検査薬を、使った後です」
「えっ……!?」
私は思わず目を見開いた。
「英二、アンタまさか……」
「はい。……実はあの時から、気づいてました」
そっか……。気付いていたんだ、英二も。
だとしたら、なんであの時言わなかったんだろう……。
「じゃあなんで、何も言わなかったの? 気づいてたなら、言っても良かったんじゃない?」
だって……見ちゃったん、だよね? 妊娠検査薬が陽性になってるの。
「沙織先輩のためですよ。……あの時言わなかったのは、沙織先輩のためです。あの状況でもし俺がそんなことを言ったとしても、沙織先輩に余計なお世話だって突っぱねられるだけですし。 それに、沙織先輩のプライベートに口出す必要、ないですしね」