【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
■止まらぬ想い。
「だから英二も、沙織のこと見守っててあげてね」
「はい」
内心私も、沙織がどう決断するのか気になっていた。 沙織自身は大丈夫なんて口には出してはいるけど、本当はすごく悩んでるんだと思う。
航太くんには言わないでって言ったけど、本当 は言うのが怖いと思う。
沙織はああ見えて本当には、すごく弱いから。普段はクールでミステリアスだけど。
みんなから信頼されてる分、沙織自身はすごく弱いのかもしれない。
心の中は繊細で、下手したらすぐ折れてしまいそうなくらい傷つきやすくて、本当にすぐに泣いちゃう時があって。
なんたって沙織の心は、繊細なガラスのハートなのだから。
だからそんな沙織を支えてあげられるのは、ずっとそばにいる私しかいない。
私沙織を支えてあげないとすぐにムチャをするから、身体への負担も大きくなるしね。
そうならないためにも、私が沙織を支えてあげなきゃ。……航太くんのためにも。
そんなことを考えていた時、スマホの着信音が鳴ったのだった。
「はいもしもし、佐倉です」
「瑞紀?俺だけど」
「か、課長……!?」
電話は課長からだった。
「お前は一体どこで道草食ってるんだ?約束の時間はとっくに過ぎてるぞ」
「約束?……あっ!」
そ、そうだった……。私今日、課長と食事に行く約束してたんだった。
「やっと思い出したか」
「す、すみません」
私ってば、やっちゃった……。
「ったく……今どこだ?」
「え? あ、駅の近くです。沙織の家に様子を見に行っていて」
「なるほど。……まあそういうことなら、仕方ないな。家で待ってるから、なるべく早く来い」
「はい。すぐ行きます」
「ああ。じゃあまた後で」
私は電話を切った。
「課長、なんですって?」
「え? ああ、沙織の様子は大丈夫なのかって」
私はとっさにウソをついた。