【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□身体だけの関係……?
「……ふうっ」
どうしよう。やっぱり来てしまった。 この前課長と出会った、あのバーに……。
行こうかどうか最後まで迷っていたけど、私の足は無意識にこのバーに向いてしまったのだった。
「……ドキドキ、してる」
やっぱり課長と二人きりで、会うからかな……。
でも私だって、分かってるの。
課長のことを好きになってはイケないって。 好きにならないことを願うけど、課長を好きにならない保証なんて、どこにもないから怖い。
もし、課長を好きになったらどうしよう。 分かっているけど、課長のことがやっぱり気になる。
「……課長、お疲れ様です」
お店の中に入り、恐る恐る課長に近付く。
「瑞紀、待ってたよ。来てくれたんだね」
そう言ってニコッと微笑む課長。
「はい。遅くなってすみません」
「いや、大丈夫だよ。 さ、隣座りなよ」
「はい」
私は静かに課長の隣に座った。
「なにか頼む?」
「はい……じゃあオレンジカクテルを」
「かしこまりました」
オレンジカクテルを注文して、課長に視線を向けると、課長とバッチリ目が合った。
「来てくれて嬉しいよ。来ないかと思ってた」
課長は私の手を握り、私を見つめる。
「か、課長……」
「今は"課長"じゃなくて、"恭平"だよ」
「……え?」
それ、どういう意味……?
「まだ分からない?」
そう耳元で囁いてくる課長にドキドキする、私の心臓がいつになくうるさい。
恥ずかしさを紛らわしたいけど、紛らわせない。どうすればいいのだろうか。
わたしの顔を覗き込んでくる課長と、目が合う。
「……あの、それってどういう意味ですか?」
課長を見つめてるのは恥ずかしいけど、さっきの言葉の意味を聞きたい自分がいる。