【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「……そうですか。ところで、約束ってなんですか?」

「え? あ、あれね。大したことないから」

 そう言ってみたが、英二は気になるのか「課長と約束、してたんですか?」と聞いてくる。

「まあね。 本当は報告書を今日の夜までに出す約束してたんだけど、結局間に合わなかったから明日にする」

「……そうですか」

 英二はきっと、私のウソに気づいている。 それでもなにも言わなかったのはきっと、私のためだと思う。
 英二は私の気持ちを知ってるからこそ、自分の気持ちを抑えようとしたのかもしれないな。

「……先輩」

「ん……?」

 英二は悲しそうな表情を見せ、「……ウソはやめてください」と私を見る。

「そんなウソ、もうやめてください。……バレバレです」

「え……?」

「先輩は、やっぱり課長が好きなんですね」

 英二のその悲しそうな表情が、忘れられそうにない。

「あの、英二……?」

「やっぱり俺には、勝ち目はないんですね」

「ちょ、ちょっと英二? いきなりどうしたの?」

「……俺やっぱり、もうムリですよ」

「えっ、英二……!?」

 英二はいきなり私の腕を掴むと、私を人気のない路地裏へと引っ張った。

「いたっ……!」

 英二はいきなり私を壁に押し付けた。

「ちょ、ちょっと英二……痛いよ」

「なんで先輩には、俺の気持ちがわからないんですか?」

 英二のその苦しそうな表情から、目が離せない。

「なんで先輩は俺を見てくれないんですか?……俺はずっと先輩のことが好きで、先輩だけを見てきたのに」

「え……英二……?」

 どうして、そんな苦しそうな顔をするの……?

「なんでよりによって課長なんですか? なんで俺じゃないんですか?」

「ねぇ英二……離してよ。痛いっ」

「お願いだから、俺を見てください。……課長なんかより、俺を見てください」
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