【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「英二……お願い。離してったら」

「俺は課長なんかよりずっと、先輩が好きです。……愛してるんです」
 
 掴まれた腕が痛くて、離せそうにない。
 英二のその泣きそうな目が、私を捉えて離さない。

「英二、ちょっと待ってって……お願いだから、離してよ」

「イヤです。……先輩の瞳(め)に俺が焼き付くまで、俺は絶対この手を離しません」

 そんな真剣な目で見つめられると、私は抵抗出来なくなる。
 課長の所に行きたいのに、行かせてもらえない。

「英二……本当にやめて。お願いだから、課長の所に行かせて……」

「イヤだって言ってるじゃないですか! なんなら今ここで、俺が先輩を愛してるって証拠を、見せてもいいです」

「っ……証拠?」

 証拠って……なに? 英二に見つめられるその目が、怖く感じる。

「はい。 もし先輩が俺のものになれば、課長だって文句は……言えないですよね?」

「……え?」

「俺はずっと先輩が好きなんです。 ずっと先輩が、俺の恋人になればいいなって思ってました」

 英二……どうしてそんな顔をするの? どうして……。

「先輩が課長が好きだって知ってるから、何回も諦めようとしました。……でも、ムリですよ」

「……ごめん」

 やっぱり、無理だよ……。

「やっぱり俺には、諦めことなんてムリです。 先輩が本当に好きなんです。……自分でも思ったより、愛してるんです」

「……英二の気持ちは、わかってる。でも私にはやっぱり、それは出来ない。 私が好きなのは、課長だけなの。本当に……ごめん」

 申し訳なさから、思わず英二から目を逸らす。

「……じゃあどうしたら、俺の気持ちに応えてくれますか?」
< 181 / 251 >

この作品をシェア

pagetop