【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「英二……お願い。離してったら」
「俺は課長なんかよりずっと、先輩が好きです。……愛してるんです」
掴まれた腕が痛くて、離せそうにない。
英二のその泣きそうな目が、私を捉えて離さない。
「英二、ちょっと待ってって……お願いだから、離してよ」
「イヤです。……先輩の瞳(め)に俺が焼き付くまで、俺は絶対この手を離しません」
そんな真剣な目で見つめられると、私は抵抗出来なくなる。
課長の所に行きたいのに、行かせてもらえない。
「英二……本当にやめて。お願いだから、課長の所に行かせて……」
「イヤだって言ってるじゃないですか! なんなら今ここで、俺が先輩を愛してるって証拠を、見せてもいいです」
「っ……証拠?」
証拠って……なに? 英二に見つめられるその目が、怖く感じる。
「はい。 もし先輩が俺のものになれば、課長だって文句は……言えないですよね?」
「……え?」
「俺はずっと先輩が好きなんです。 ずっと先輩が、俺の恋人になればいいなって思ってました」
英二……どうしてそんな顔をするの? どうして……。
「先輩が課長が好きだって知ってるから、何回も諦めようとしました。……でも、ムリですよ」
「……ごめん」
やっぱり、無理だよ……。
「やっぱり俺には、諦めことなんてムリです。 先輩が本当に好きなんです。……自分でも思ったより、愛してるんです」
「……英二の気持ちは、わかってる。でも私にはやっぱり、それは出来ない。 私が好きなのは、課長だけなの。本当に……ごめん」
申し訳なさから、思わず英二から目を逸らす。
「……じゃあどうしたら、俺の気持ちに応えてくれますか?」