【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「……え?」

「教えてくださいよ。 どうしたら、俺の気持ちに応えてくれますか?」

 そんな悲しそうな顔で見つめられても、私は英二の気持ちには応えることは出来ない……。

「……英二がどうやっても、私の気持ちは絶対に変わらない。それだけは……言える」

「っ……なんで。なんで俺じゃダメなんですか? どうして……俺じゃダメなんですか」

 英二はそっと、掴んでいる腕を緩める。

「英二は……私にとって、大切な部下だから。 英二は私にとって、弟みたいな人なの」

「……弟?」

「確かに英二のことは好きだよ。……でもそれは異性としてじゃなくて、人としてなの」

「人として……ですか」

 英二はかわいい部下。私にとっては、それ以上になることはないんだ。

「そう。英二は私にとって……部下以上には、なれないの」

「……じゃあ俺はこれからもずっと、"弟"のままですか?」

「うん……本当に、ごめんね」

「そうですか。……わかりました」

 そう言われてゆっくりと離された両腕には、掴まれた赤い跡が付いている。

「……英二?」

 ジッと見つめていた英二の瞳(め)からは、涙が浮かんでいた。
 それは今にも泣き出しそうなくらいで、英二の涙を初めて見る瞬間でもあった。

「俺は……俺はやっぱり、課長には勝てないんですね」

「英二……泣いてるの……?」

 英二の涙が、本気度を表しているように見える。

「っ……すいません」

 英二の瞳(め)からは、見たことのないくらいの大粒の涙が溢れだしている。

「英二ごめん……」

 なんだかよくわからないけど、私も泣きそうになって、どうしたらいいのかわからなくなった。

「え、なんで先輩が泣くんですか……」

「だって……」
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