【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「ほらまた課長って言った」
「あっ」
プライベートでは課長と呼ぶように言われているが、なかなか課長と呼ぶクセが抜けない。
「恭平って呼ぶようにいつも言ってるだろ?」
「すみません、なかなか抜けなくて」
「じゃあ今から、ちゃんと恭平って呼べよ」
と見つめられたので「わかりました」と答えた。
そんなこんなしている内に、イタリアンのお店に着いた。
お店の中に入ると、窓際の席を案内された。向き合うように座ると、すぐさまお冷とお絞りなどが運ばれてくる。
「ご注文はお決まりですか?」
「はい。生ハムのサラダと、ピリ辛ミネストローネのスープパスタを二つお願いします」
「後、ワインを一本お願いします」
「かしこまりました」
メニューとワインを注文し終えた後、メニューが来るのを待った。
「恭平さん」
「ん?どうした?」
「今お腹鳴りました?」
気のせいかもしれないが、課長のお腹がぐぅぅと鳴ったような気がした。
「……聞こえたか」
「はい。聞こえました」
課長のこういう恥ずかしそうな所がかわいい。
「大丈夫です。お腹が鳴るのは生きている証拠です」
「はは、確かにそうだな」
なんて会話をしていると、ワインと生ハムサラダがテーブルに置かれる。
目の前でグラスに店員さんがワインを注いでくれる。
「ごゆっくりどうぞ」
店員さんがいなくなった後、課長と乾杯をしてワインを一口口の中に流し込む。
「うん、美味しいな」
「はい。美味しいです」
久しぶりに飲んだワインは格別に美味しかった。
「恭平さん、ワインが好きなんですか?」
「ああ、一番好きだな」
「そうなんですか」
確かに課長はワインをよく飲んでいるイメージがある。