【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「でも食べると結構辛いかも」

「粉チーズ掛けたらいいんじゃないか」

「そうします」

 粉チーズを振り掛けて食べると、辛味が少しマイルドになって食べやすくなる。

「粉チーズ掛けたらすごく美味しいですよ」

「そうか」

「辛味がマイルドになりました」

「そうか」

 身体もポカポカとしてきて暖かくなってきた。

「ミネストローネだけでも美味しいものなのに、そこにパスタ入れたらなおのこと美味しいに決まってますよね」

「そりゃあそうだな。美味いもん同士の組み合わせってヤツだな」

「そう思います」

 課長とこうして美味しいものを食べられるなんて、幸せだ。 やっぱり誰かとこうやって食事をすることは食事の美味しさをより引き立たせてくれる。
 美味しいものを食べている時の幸せは、誰かと一緒の方が噛み締めやすい。

「そうだ、瑞紀」

「はい」

「倉本は大丈夫なのか?」

「え?」

 課長は沙織のことを心配しているようだ。

「悪阻が結構ひどいと聞いてな」

「ああ……そうみたいです。今食べられるものはグレープフルーツとレモンだそうです」

 私がそう言うと、会社は不思議そうに「レモン?」と私の顔を見る。

「はい。レモンをそのまま食べてるみたいです」

「そのまま食ってるのか? すごいな」

「この前はレモンをたくさん買って、持って行ってあげました」

 私も沙織がレモンを何に使うのか疑問だったけど、まさかそのまま食べているとは思わずビックリはした。 
 グレープフルーツならまあ、わかる気がするけど。今は酸っぱいものが食べたい期らしいから、レモンとグレープフルーツは冷蔵庫に常備させているようだ。
 悪阻が治まるまでは、グレープフルーツとレモンと、ポテトで辛抱してもらおう。
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