【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「分からないなら教えてあげるよ。……今は上司じゃなくて、"男"として君と会ってるんだよ」
「……え?」
お、男としてって……。
「お待たせしました。オレンジカクテルです」
そんなことを考えていると、目の前のコースターにオレンジカクテルが置かれる。
「いただきます」
私はカクテルを一口口に含んだ。
「……ん、おいしい」
これを飲むと、なんだか落ち着く……。
「瑞紀」
「え?」
課長は私の名前を小さく呼んだ。
「言っただろ?二人きりの時は"瑞紀"って呼ぶって」
「あっ……」
思い出した。そういえばあの時、そんなことを言ってたような……。
「……なあ、瑞紀」
私の手を握る課長に、ドキドキする。
「はい……なんでしょう?」
「瑞紀も俺のこと、"恭平"って呼んでみて?」
あれ?今、俺って言った? いつもは僕って言ってるような……。
「二人きりの時は、お互い名前で呼び合おうか、瑞紀」
甘い声でそう囁いてくる課長に、私の心臓はもう爆発寸前だ。
ドキドキしすぎて、死んでしまいそうになる。
「瑞紀……今日もホテル、行く?」
「えっ……?」
そ、それってーーー。
「ん?」
「……でも、課長」
「だから今は、課長じゃなくて、"恭平"って言ったでだろ?」
「あ……はい」
「どうする瑞紀? ホテル……行く?」
早く答えろと言わんばかりに、課長が目で訴えてくる。
そう、イケないことだってことは、分かってるの。 でもーーー。
「……行きたいです」
それでも私の身体が、課長を求めてしまっているんだ。
「じゃあ行こうか」
「はい……」
そして私たちは、そのままホテルへと向かってしまったーーー。