【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
■迎えた転機と迫られる決断。
* * *

 
 
 そんな私に転機が訪れることになるのは、それから数週間後のことだった。

「ねえ、佐倉さん」

 休憩室で飲み物を買っていた時、藤堂さんに呼び止められた。

「……なんでしょうか?」

 こんな所で藤堂さんの顔を見たくないのが本音なのだが。
 私に、何か用事でもあるのだろうか。

「常務が、あなたのことを呼んでるわよ」

「え? 常務がですか……?」

 なんで常務が私のことを……?

「そうよ。なんでもあなたに、話したいことがあるみたいよ」

「話……ですか?」

 藤堂さんはそんな私を見て「安心して。あなたにはもう何もしないわ」と呆れたような表情を見せる。

「私、何も言ってませんけど」

「あなたの顔が、私に対して警戒してる顔だったわ」

 藤堂さんにそう言われたので、私は「そんな顔してました?」と聞き返す。

「してるわよ」

「それは失礼しました。 ありがとうございます」

 私は急いで常務の部屋へと向かった。

 それにしても、常務の話ってなんだろう……?

「ふう……」

 小さく深呼吸をして、コンコンと常務のいる部屋のドアをノックした。

「入りなさい」

「……失礼します、佐倉です」

 恐る恐る部屋に入り、常務に挨拶をする。

「常務、お呼びでしょうか」

「まあとりあえず、そこに座りなさい。話はそれからだ」

 入口の目の前にあるソファに座るように促された私は「はい」と目の前に座らせてもらった。
 常務も私の目の前に座ると、すぐに本題を切り出してきた。

「ところで、佐倉くん」

「はい。なんでしょうか」

 一体何を言われるのかとドキドキしてしまい、冷や汗が出そうになる。
 どうしよう……緊張する。

「佐倉くん、君研修をしに行く気はないか?」

「はい。……えっ、研修ですか?」

  研修? 研修って……?
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