【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
でも、それは課長と離れることになる。……私は一体どうしたらいいのだろう。
でもこんな話、一生に一度あるかないかの大チャンスだ。 きっとここで行くって言わなければ、私にはもうこんな話が二度と来なくなる。
「まあまだ時間はたっぷりとある。ゆっくり考えてから、結論を出すといい」
「……はい。ありがとうございます」
「答えが出たら私の所に来なさい。……でもこのチャンスは、もう二度とないと思いなさい。こんなチャンスをムダにするなとは言わないが、自分自身でよく考えて答えを出すことだ」
常務の口調は少し厳しめにも感じるけど、私のためを思ってのことだということは理解が出来る。
「……はい。それは私自身もよくわかっています」
「ならいいんだがな」
それだけはもちろん、理解出来る。 わかってるけど、すぐに答えを出せるほどの決断力は私にはない。
「……あの、常務」
「なんだい?」
「もし、もしなんですけど……」
聞きたいけど、そこで言葉が詰まってしまう。
「どうした?遠慮せずに言ってみなさい」
「……もし私がアメリカに行かないと言ったら、その時はどうなるんでしょうか」
この答えを聞くのはとても怖いけど、聞かないとならない気がした。
「君の他にも候補者がいるから、他の人が行くことになるだろうね」
「……そうですか」
常務はそんな私に問いかけるように、「私はムリにとは言わないが、これは君のためになるってことは、忘れないでおくれ」と言葉にしてくれた。
「はい。それは充分、承知しているつもりです」
「ならいいんだがね。……まあ行くか行かないかは、君の自由だ。だからよく考えなさい」
「……はい。 では私は、これで失礼致します」