【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「そうかな?」
「そうよ。 アンタはみんなから認められてるわよ。だから自信を持ちなさいよ」
「……うん、ありがとう」
そんな私に、沙織が「これはアンタに初めて話すことなんだけどさ」と私を見る。
「うん、なに?」
「私たちが初めてこの会社に入った時、私実はやめようと思ってたんだよね」
「えっ!そうなの?」
知らなかった。そうなんだ。
「入ったのはいいけど、ずっと雑用ばかりで、仕事なんてまともにもらえなかったじゃない?」
「まあ、そうだね」
なんか、あの頃が懐かしいな……。
「あの時私、本当に心が折れそうだったの。辞めたくて仕方なかった。……でも何を言われても気にせずに一生懸命仕事してるアンタを見て、私すごい勇気もらえたんだよね」
「……え?」
私に勇気を……?
「一生懸命頑張るアンタの姿を見たら、私ももっと頑張らなきゃなって思ったし、瑞紀をもっと見習わなきゃって思ったの。 そのくらいあの時のアンタは、カッコよかったんだからね?」
「……確かにあの時は私もね、正直辞めたいと思ったの。この会社の仕事に憧れて入社したのはいいけど、雑用ばかりで全然仕事がもらえなかったから、あの時は辞めたいって毎日思ってたよ」
なんて話したら、沙織が「アンタもそうだったんだね」と言ってくれる。
「うん、そうだよ。 だからいっそのこと、ここを辞めて、別の職場で働こうって一時期ずっと思ってたんだ。私は雑用するためにここに入った訳じゃないのにって、雑用しながらずっと思ってたよ」
「そうよね。そう思うわよね」
「うん。あの時は辛かったね、毎日」
でも負けないでこれたから、私たちには今があるんだ。 あの時、負けないで良かった。