【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
ホテルの部屋に入った課長は、すぐにベッドに腰を下ろし、ネクタイを緩め始める。
ドキッーーー。
課長がネクタイを緩める姿はやけに色っぽくて、つい見入ってしまう。
「……ん?どうした?」
課長が不思議そうに私を見つめる。
「あっ、いえ。……なんでもありません」
これら一体、なんて言うのだろうか。
課長には大人の魅力というものがあって、なんていうか……人を引き付ける力が何かあるのかもしれない。
課長を見てるだけでドキドキして、なんだか恥ずかしい気持ちになる。
「瑞紀、こっちにおいで?」
「はい」
私は課長の隣にそっと腰を下ろした。
「……あの、課長?」
「ん?」
「どうしてあの日……あのバーにいたんですか?」
そう聞くと、課長は私の手を握り「瑞紀に会いたかったからだ」と答えた。
「え……?」
「実は俺、瑞紀のことずっと見てたんだ」
「……ずっと?」
ずっとって……いつから?
「ああ、瑞紀があのバーに通い始めた時からずっとな。……多分その時から、俺は瑞紀のことが気になってたのかもな。だからあの日、瑞紀に声をかけたんだ」
「……そうだったん、ですか」
まさか課長が私のこと、ずっと見てたなんて……全然気付いてなかった。
「瑞紀、シャワー浴びてきたら?」
「はい……じゃあお先に」
私はドキドキしながら、しばらくシャワーを浴びていた。
「課長、シャワーどうぞ」
バスローブに着替えて課長の元に行くと、課長は誰かと話をしているようだった。
「ああ、わかった。……また後でかけ直す」
課長は電話を切ると、私にニコッと微笑む。
「……課長、あのっ」
誰と話していたのか聞こうと思ったけど、やっぱり聞けなかった。