【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「……もう。課長なんて嫌いです」

「本当に嫌いなのか?」

 とずるい聞き方をされたので「……ウソです。大好きです」と答えざるをえない。

「俺は愛してるよ」

「えっ?……あ、はい。私ももちろん、愛してます」

 なんかこうやってストレートに言葉をぶつけるのって、やっぱり恥ずかしいな……。

「今日はやけに素直なんだな?」

「……いいんです。本当のことなので」

 課長のことを愛してるのは事実だし、離れたくないのも事実だから。

「ありがとう。瑞紀が彼女でよかったよ」

「……はい」

 "彼女"か。そうだよね、私は、課長の彼女なんだよね……。

「どうした?」

「あ……いえ。なんでもありません」

 なぜか、アメリカ行きのことを思い出して不安になる。

「なんだ。なんか不安そうな顔してるな」

 課長にはもう、アメリカ行きのことはバレているのだろうか……。それとも……。

「い、いえ……本当になんでもありません。 ただお腹が空いてしまって、気分が下がってるんです」

「ハハハッ!お前らしいな」

 誤魔化すために言った言葉で、課長は笑っていた。

「私らしいってなんですか!?ヒドイですよ」

「ごめんごめん、許してくれよ。 なっ?」

 私の頭を撫でる課長に、私は「はい。許します」
と微笑む。
 その優しい笑顔を見るたびに私は、更に課長を好きになっていく。
 課長はすごく優しいし、不安なことがあると大丈夫だって慰めてくれて、寂しい時はギュッと抱きしめてくれて。

 私が泣きたい時は泣かせてくれる。時にはアドバイスもくれる。
 すごく優しくて素敵な課長の彼女になれた私は、ある意味"奇跡"に近い気がする。
 時々不安になる時もあるけど、課長がそばにいてくれれば平気になる。 みんなに内緒の社内恋愛は、ちょっと大変だけど。
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