【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
私は課長からそう問いかけられて、静かに頷いた。
「瑞紀、ちょっと場所を変えようか」
「……はい」
私たちは二人で話せる場所へと移動することにした。
「瑞紀、ほら」
課長からコーヒーの缶を渡される。
「ありがとうございます」
私はそれを受け取ると、俯いた。
「瑞紀、さっきは取り乱してすまなかった」
「いえ! 私こそ……すみませんでした」
課長が怒るのも当然だ。私は課長に何も言えなかったのだから、怒られて当然なのだ。
本当なら、すでに話さなければならなかったからだ。 ずっと黙ってる訳にもいかないとわかっていたのに、臆病だったせいでこうなったのは……紛れもなく自分のせいだ。
課長に知られてしまったのだから、この際だから全てを話そう。
わかってもらえなくてもいいから、最後まで自分の口から話したい。
「……お前は、アメリカ行きたいか?」
「え……?」
「アメリカ研修に、行きたいのか?」
真剣な目で課長に見つめられる。
「……できることなら、もちろん行きたいです。 ずっと夢に見てたくらいですし、めったにないチャンスですし。行きたい気持ちはあります」
この気持ちは、多分昔も今も変わってない。
「……そうか」
「すみません……もっと早く、話すべきでした」
「いや、いいんだ」
課長にはもっと早く話すべきだった。
「課長は……私がアメリカに行くこと、どう思ってるんですか?」
「俺か?……そうだな。俺は正直、アメリカに行ってほしくないし、瑞紀とは離れたくないと思ってる。……でもそれは、俺の彼氏としての意見だ」
「彼氏として……?」
「彼氏としてじゃなく、上司として言うなら。それは絶対に行くべきだと思う」