【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
それを聞いて私は、課長にも葛藤があることに気付いた。
上司として、そして彼氏としての葛藤があることに……。
課長は私を手を握ると「もちろん離れるのは、俺だってイヤさ」と言ってくれる。
「……私、アメリカには行きたいです。 でも課長とも、離れたくありません」
アメリカには行きたい。 でも課長と離れたくないって気持ちが混ざり合って、余計気持ちを混乱させる。
私はどうしたいんだろう……。優柔不断な私がどちらかを選べと言われても、私にはやっぱり選べない。
でも今は、私には課長の方がすごく大事だから、課長と離れたくない。
私だってわかってるの。常務の言うとおり、わたしがアメリカに行けるのはめったにないチャンスだってことを。
せっかく選んでくれたのだから、行くべきだとわかっている。
こんな話が出たのはきっと奇跡に近い。念願の夢がもうすぐ叶うかもしれない。
そう思うと、その夢を捨てられずにいる。課長と離れたくないけど、アメリカには行きたい。
でもきっとそれはきっと、私のわがままだ。 どちらかを選ぶとしても、わたしには選べない。
「……やっぱり、選べません」
「え?」
「どちらかを選ぶことなんて……私には出来ません」
もうどうしたらいいのか、わからない。
「出来ません。……私には課長が大事なんです。だからアメリカに行くか課長を取るかって言われても……私にはどちらも選べせん」
「そうだな。 お前にはちょっと、難しい話かもしれないな」
「……課長、私はどうするべきでしょうか。 私はどちらを選べば、いいんでしょうか」
そう聞くと、課長は「俺にもわからない。 でも瑞紀の気持ちは、俺にもわかる」と言ってくれる。
「でも俺には、そんなこと決められない。 決めるのは俺じゃなくて、お前自身だ」