【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 泣きそうになる私に、課長は「これはお前の人生に関わる問題だ。……俺がそれを決めたとこで、どうにもならない。 それは自分自身で決めなきゃならないことなんだ」と私を見つめる。

「……そうですね。自分自身で、決めなきゃならないことですよね」

「そうだ。これはお前の人生だぞ? 俺が決めてどうこうなる訳じゃないだろ」

「……はい」

 確かに、課長の言うことが正しい。決めるのは私だ。
 課長はあくまでも、背中を押してくれる側の人間だ。

「いいか瑞紀。自分が今どうしたいのか、よく考えるんだ。……自分の人生は、自分で決めなきゃ意味がない」

「……でも、私は自分がどうしたいのか、わかりません」

 課長はそんな私の手をぎゅっと握りしめる。そして「わからないなら、じっくりと考えればいい。そんなに焦って考えることはないんだ」と言葉をくれる。

「……でも私には、もう時間がないです。後一週間しか、時間がないんです」

 すると課長は、私に「一週間しかないんじゃなくて、"一週間も"時間があるんだ」と言ってくれた。

「……え?」

「一週間しか時間がないって考えてたら、余計に焦るだけだ。だから後一週間も時間があるって考えればいいんだ。……そしたら少しは、自分に余裕が出てくるはずだ」

 一週間も……ある? 確かにそう考えると、自分に少しだけ余裕ができる気がする。
 そうか……。どんな試練が待っていても、焦ってはいけないんだな。

 焦ったら、冷静な判断が出来なくなってしまう可能性があるから。 なにがあっても、焦らずに落ち着いて考えればいいんだ。
 冷静な判断が出来なくなって後悔だけは、したくない。

「どうだ? 少しは落ち着いたか……?」

「……はい」
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