【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□決断の時
「瑞紀、今一番大事なのは今だ」
「今……?」
課長が真剣な目で「未来のことなんて誰にも予想できないだろ?一年後のことや、五年後のこと、ましてや十年後のことなんて誰にもわからないだろ?」と言ってくれるから、私は勇気が出た気がした。
「……はい。そうですね」
私も課長との未来を夢見るより、課長との今を大切にしていきたいなと思った。
何年後かの未来を想像するより、今を楽しくわがままに生きていく方がよっぽど楽しい気がする。
充実している今を大切な人と、大切にしていきたいなと思えた。
「未来のことなんて、わからなくて当然なんだ。未来のことを想像したって結局、思いどおりになんてならない。未来なんて所詮は、そんなもんだ」
「なるほど。 だから"今"が大切なんですね」
「そういうことだ。 何年後か先の未来を見るより、今を生きるほうが何倍もいいだろ?」
私は課長の手を握ると、「ですね」と笑った。
「瑞紀、向こうでしたいと思うことはなんでもすればいい。挑戦してみろ」
「……はい。わかりました」
「俺は瑞紀がアメリカに行っても、瑞紀が帰ってくるまでずっと待ってる。……何年でも待つから、安心してくれ」
「……課長、ありがとうございます」
立ち上がった私は、「課長、私……アメリカに行きます」と課長に宣言した。
せっかく課長が背中を押してくれたんだ。 自分のやりたいことをやろう。
それが、私にとってきっとプラスなことになるはずだから。
「ああ、頑張れ瑞紀」
「はい」
だから、私はもう迷ったりしない。迷うのを今の瞬間でやめにする。……だからアメリカに行くことに決めた。