【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「そうか。 君のことだから、アメリカに行かないかと思っていたから、ちょっと意外だったよ」

「……え?」

「君に一つだけ聞こう。君がアメリカに行くと決めたのは……その"ある人"に言われたから、なのかな?」

 常務にそう聞かれた私は、「いえ、違います。確かににその人には、アメリカに行けと言われました。……でもその人に言われたから、アメリカに行くと決めた訳ではありません」と答えた。

「そうかい。 つまりこれは、君の"意志"ってことでいいんだね?」

「……はい。アメリカに行くと決めたのは、私自身です。決してその人に言われたからでは、ありません」

 これだけは言える。課長に言われたから行くんじゃない。
 課長は単純に、背中を押してくれただけだ。

「そうか。……よく、決心してくれたね」

「はい。 アメリカに行くのはこの先二度とないチャンスですから。……それに、もうすぐ私の夢が叶います」

「夢?」

「……はい。私の夢は、ずっとアメリカに行くことでした。だからそのために、私はどんなに辛いことでも必死に頑張ってきたんです。……自分の夢を叶えたくて」

 その夢を捨てることは、私には出来なかった。 夢を捨てたら、きっと後悔すると思ったから。

「そうか、よかったじゃないか。 もうすぐその夢が叶うんだな」

「はい。本当にありがとうございました。……私にこんなチャンスをいただけたこと、本当に感謝しています」

「……君には期待しているよ。向こうで精一杯、頑張りなさい」

 常務は私に対して、優しくしくニコリと微笑みを見せる。

「はい。 私、向こうでもっと自分を成長させられるように、一生懸命頑張ります」
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