【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「それじゃあ手続きはこちらでしておくから、君はもう仕事に戻りなさい」

「……はい。失礼しました」

 私が立ち上がった時、「佐倉くん」と常務が私の名前を呼ぶ。

「……はい?」

「本当に、アメリカへ行くんだね?」

 最後にそう聞かれたので、「はい。行きます」と答えると、常務は「わかった。 決心してくれて、ありがとう」と答えた。

「では、失礼します」

 私はそのまま、常務室を出た。

「ふう……」

 本当に、決心してしまった。 私は、アメリカへ行くことになった。
 ーーーでもきっと、後悔はない。 

 「あ、先輩。常務の話、なんだったですか?」

 戻ると、私の姿を見た英二が私に話しかけてくる。

「……アメリカ行きの話よ」

「え?アメリカ……?」

 英二の表情が曇りだすのがわかった。

「うん。 実は少し前から、アメリカ行きの話が私にあったのよ

「そうなん……ですか?」
 
 英二が私の顔を見て、悲しそうな顔をする。

「……うん。でもずっと迷ってて、決められなかったんだけどね」

「そうなんですか。……いつの間に、そんな話があったんですね」

「うん……もう少し早く、英二にも話すべきだったね、ごめんね」

 英二は「……いえ」と返事をする。

「英二、私がアメリカに行っても、私のこと慕ってね」
 
 私がそう言うと、英二は「もちろんです。先輩は、俺の憧れなんですから」と笑ってくれる。

「ありがとうね」

「ところで、アメリカ……行くんですか?」

「……うん、行くよ。だってこのチャンスを逃したら、きっともう二度とチャンスが回ってくることはないからね。……だから、アメリカ行くよ」
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