【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
■アメリカでの生活。
* * *



そしてそれから、一ヶ月後ーーー。

「……ふう」

 私は大きめのキャリーバッグを持ち、予定どおりの時間に空港にいた。今日からいよいよ、アメリカでの暮らしが始まろうとしている。
 今日で一旦は、課長や英二、沙織ともお別れになる。 なんだか楽しみだけど、やっぱり寂しい気持ちになる。

 今日でみんなともお別れなのか……。しばらく、会えないもんね。
 次に会えるのは、いつかな。 二年後とかになるのかな?

 そんなことを考えていると、近くで「瑞紀!」と声が聞こえた。

「えっ?……沙織!? 来てくれたの!?」

 沙織も見送りに来てくれた。

「うん、見送りにきた」

「なんで? 大丈夫だって言ったのに!」

「そういう訳にはいかないわよ!大事な親友がアメリカに行くってのに、見送りに行かない訳もにはいかないわ! 今日でしばらく、瑞紀とはお別れなんだから」

 あれから沙織の悪阻は治まったようで、少しずつだけどお腹が大きくなっていた。
 
「沙織、わざわざありがとう」

 心配症な沙織は私に「瑞紀、忘れ物はない? ちゃんと確認した?」と確認してくるから、私は「うん、大丈夫。ちゃんと確認したから」と答えた。

「そう。……今日でしばらく、アンタとも会えなくなるのね」
 
「……うん」
  
 沙織が悲しそうな顔をするから、私まで悲しくなりそうになる。

「アンタがいなくなると、寂しいわね。いつもそばには、なんだかんだアンタがいたから」

「そうだね。……私もすごく、寂しいよ」

 でも、決めたのは私だから、精一杯頑張ってくる。

「パスポート、ちゃんと持った?」

 私は「うん、バッチリだよ」とパスポートを見せる。
< 218 / 251 >

この作品をシェア

pagetop