【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 そこで言葉が止まる。 いいのだろうか、こんなことを言って……。

「……瑞紀?」

「課長は……」

 でも、どうしても言いたいという気持ちがどこかにあって……。

「瑞紀? どうした?」

「……いえ、やっぱりなんでもありません」

 でも私は、口を開くのをやめた。 本当は課長に聞こうと思ったんだ。
 なんで私に、こんなに優しくしてくれるのか。 そしてさっきの電話の相手が、誰なのか。
 でも臆病な私は、それを聞けなかった。 違う、多分聞くのが怖いんだと思う。

 こうやって日を重ねるごとに不安になっていく。
課長と私の関係って……一体なんなのかを。
 上司と部下。でも恋人……なのかも分からない。

「……あの、課長」

「ん?」

「私たちの関係って……一体なんですか?」

「え……?」

 それでも私は、その答えが知りたい一心で課長を見つめる。

「……なんでそんなこと、聞くんだ?」

 課長の瞳は私をしっかりと捉えている。

「知りたかったんです。……私と課長の関係がなんなのか」

 私たちの関係に名前を付けるとしたら、何なんだろうか。

「……瑞紀」

「私たちの関係って、一体なんですか……?」

 この関係に名前を付けるとしたら、それに名前はあるのだろうか……?
 私にも分からない。 でも大体、返ってくる答えは分かっていた。

「……身体だけの関係ってヤツ、なのかな、今は」

「………」

 やっぱり、やっぱりそうなんだ。 そうだよね、これは思った通りの答えだった。
 私は課長との関係に、何も期待なんてしてなかったーーー。
 関係だけの関係という名前が、私たちの今の関係ってことだよね。
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