【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「ほら、早く行きな!」

 沙織に背中を押される。

「みんな、今日はありがとう。嬉しかったよ!……さようなら!」

「……瑞紀!」

 沙織に呼ばれて、思わず振り返る。

「行ってらっしゃい!」

「うん……行ってきます!」

「頑張ってね!」

「ありがとう! さようなら。行ってきます!」

 課長は今日大事な会議があるらしく、見送りには来られなかったけど、課長も頑張ってこいって言ってくれたから、一生懸命頑張る。
 二年後、私は笑顔で帰ってくるって約束したから。

「先輩!行ってらっしゃい!」

「ありがとう!行ってきます!」

 そして私は、みんなに大きく手を振ってアメリカへと旅立った。



* * *


 あれから時は過ぎて、アメリカに旅立ってからもうすぐ一年が過ぎようとしていた。
 一年ほどアメリカで生活していたせいか、こっちでの生活にももう慣れていた。
 最初はぎこちなくてオドオドしてたけど、今では仕事にも慣れて普通にに何一つ不自由のない生活を送らせてもらっている。
 
 英語での会話も今はだいぶ出来るようになってきたし、こっちにも心なしか馴染めているような気がしている。
 ただひとつ残念なのは、課長が私の隣にいないことだ。 課長と会えなくて寂しいせいか、たまに課長に無性に会いたくなって仕方ない。
 でもあと一年我慢すれば、向こうに帰れるし課長にもまた会えるようになる。
 
 沙織にもまた会えるし、沙織の赤ちゃんにもようやく会える。 沙織の子供に会えるのはとても楽しみだ。
 子供に会う頃には、子供は二歳になってる頃かな。 早く会いたいな、みんなに。
 英二も頑張ってるみたいで、後輩が出来たららしいし。
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