【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
するとその時、スマホが鳴った。
「はい。もしもし」
「もしもし、瑞紀か?」
「はい」
最近課長とは、時間に余裕があればお互い電話をしている。メールはたまにしかしないけど、テレビ電話もしている。
課長は忙しい人だから、電話じゃなきゃまともに話せないけど、時間がある時は少しでも声が聞きたいから、電話をしている。
疲れていても課長の声を聞くだけで、疲れなんて一気に吹っ飛んでしまう気がする。 だって、課長と話せるのが何よりも嬉しい。
電話もたまにしか出来ないけど。でもその"たまに"が貴重な時間なんだ。
「どうだ?こっちでの生活は? 快適か?」
「はい。結構快適です」
「そうか。疲れてないか?」
課長も疲れているようかもなのに、そんな気すら感じさせない安心する声なのだ。
「大丈夫です。課長の声を聞いただけで、疲れなんて吹っ飛んでますから」
「それは嬉しいな。 向こうでの仕事はどうだ?順調か?」
「はい。まあまあですかね」
課長は私を心配してくれているのか、「そうか。大変じゃないか?」と聞いてくれる。
「そんなことないです。むしろ、結構楽しいと思えます」
「そうか。なら良かったな」
「やっぱり、色々と大変でではありますけどね」
課長は「でも、毎日頑張ってるんだな」と言ってくれる。
「はい。私とっては、結構やり甲斐のある仕事ですから。 それなりには役に立ってるつもりです」
「そうか。無理するなよ」
「はい。課長も頑張ってください。……あまり無理しないでくださいね」
「わかってる。俺も最近忙しくてな。毎日残業ばかりだ」
そうなんだ……。課長も忙しいんだね。
「そうなんですか。……あの、ちゃんと食べてますか?」
「ああ、食べてるよ」
その言葉を聞いて、心がホッとした。