【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「そういうお前は、ちゃんと食べてるのか?」
課長も私と同じことを聞いてくるから、「食べてますよ。最近は時間があれば、ちゃんと自炊をするようにしてます」と答えた。
「そうか。ちゃんと食べて、栄養取らなきゃダメだぞ」
「わかってますよ。課長もきちんと、栄養のあるものを食べてくださいね」
「ああ、わかってるよ」
この生活ももう一年になる。 でも向こうに帰れるまで、残り一年だ。
後一年か。……長いなって感じる。
「……あと一年ですね」
「ん?」
「後一年で、課長に会えますね」
早く一年、経たないかなって思ってる。 早く課長に会いたい。
早く課長に抱きしめてほしい。
「……そうだな」
「課長に会えないなんて……すごく寂しいです」
時々寂しくて泣きそうになるけど、私はそれをあまり課長には見せたくないのが本音だ。
自分で決めてここに来てるのだから、自分の仕事を全うするべきだとわかってるし。
「なに言ってるんだ。俺だって寂しいに決まってるだろ」
「……はい。なんか嬉しいです」
大好きな人と同じ気持ちなのは、やっぱり嬉しい。
「嬉しいって、何がだ?」
「課長も私と同じ気持ちなんだって思うと、なんか嬉しいなって」
「そんなの、当たり前だろ」
課長のその優しい声が私を包み込んでくれて、幸せな気持ちになる。
「はい。……あの、課長」
だけど、私には一つ気がかりなことがある。
「なんだ?」
「藤堂さん、あれからどうしてますか?」
藤堂さんのことが、気になっている。
「静香か……?」
「……なんだかんだ言って、ギクシャクしたままだったので」
課長は「アイツなら、元気だよ」と答えた。
「そうですか」
「あ、でも」
「でも……?」
「アイツ、親父さんの会社を継ぐらしい」