【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□一年半後の再会。
* * *



 アメリカでの研修が残りあと半年となった所で、私にとある知らせが来た。

「はい。もしもし、佐倉です」

「佐倉くんかい? 私だよ」

「え、常務ですか?」

 仕事から帰宅した後、電話に出るとその声は常務であった。

「お、お疲れ様です。どうされたんですか?」

 まさか常務から電話が来るなんて……。ビックリした。

「佐倉くん、今日は君にお知らせがあるんだよ」

「え? お知らせですか……?」

 お知らせとは、一体なんかのだろうか?

 まさか、研修期間が延びるとか……じゃないよね? もしそうなら、泣きそうになる。

「佐倉くんの日本への帰国が、予定より早まったんだ」

「……え?」

 帰国が早まった……とは?

「悪いんだけど、今月いっぱいでこっちに戻ってきてくれないか?」

「でも、いいんですか?私、まだ研修期間残ってますけど?」

「いやーそれがね、実は一人寿退社する子がいて、ちょっと人手が足りなくなってしまってね。 佐倉くんに戻ってきてもらいたいんだよ」

 常務の話によると、商品管理部の女の子が寿退社することになったそうだ。
 管理をしてくれる担当の子がいなくなってしまうとのことで、予定より早いが私を呼び戻すことにしたらしい。

 沙織は子供がいて現在時短勤務中なので、今は九時から十六時までの勤務のため、残業も出来ないようだ。
 なら仕方ないから、私を呼び戻そうということになり、今に至るらしいが。

「ということだから佐倉くん、なるべく早く戻ってきてくれないか」

「……わかりました。 そういうことなら、戻りますね」

「済まないね」

 私は「帰国する日がわかりましたら、改めてご連絡させていただきますので」と電話を切った。
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