【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
【瑞紀、帰国早まったって本当か?】
その日のお昼頃、課長からメールが来ていた。
【はい。なんかそういうことになりました】
【そうか。良かったな】
【はい】
でも良かった。おかげで課長と、予定より早く会える。……早く会いたいな。
「荷造り、しなきゃ」
帰国する準備も少しずつ進めていき、アメリカでも生活も終わりを迎えていた。
向こうで送迎会ならぬものを催ししてくれて、そこにいる会社の方たちも「今度は彼氏と遊びに来てね」と笑顔をくれた。
* * *
それからあっという間に月日は流れ、とうとう今日がアメリカから帰国する日になった。
私はキャリーバッグを手に、日本行きの飛行機へと乗り込む。
「……やっと」
やっと今日、課長に会える。 課長、どんな風に変わってるのかな……。
相変わらずカッコイイんだろうな。 課長はいつだってカッコイイけど、カッコよさが増してそうだ。
思えばこの一年半、私は課長のことを思わない日はなかった。
どれだけ大変でも、どれだけ忙しくても、毎日課長のことを考えながら、早く会いたいという一心でアメリカでの生活を送っていた。
それでもアメリカに行った頃は、一年半も課長に会えないという現実を受け入れられないことも、時々あった。
課長に会いたくても会えないという現実は、私の心の中にぽっかりと穴を開けた。
それでも全部、わかってるつもりだったんだ。最低でも一年半は課長に会えないってことを。
あの時アメリカに行くと決めたのは、他でもなく私自身だったから。
課長が背中を押してくれたからこそ、私もアメリカに行こうと決心できたんだ。
その時から一年半、会えないということはわかっていた。
わかっていたはずなのに、時々寂しさを覚えては課長に会いたいと何度も願っていた。