【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「一年半、お疲れ様でした」
「……ありがとうございます」
久しぶりに聞いた課長の声は、なんとなく低いような気がした。
「最初は二年と聞いていましたが、半年も早まると聞いて驚きました」
と言われたので、「すいません。向こうで帰国を早めてほしいと連絡があったのもので」と答えると、「そうですか。でも本当によかったです。……無事に帰ってきてくれて安心しました」と微笑んだ。
「心配かけてしまってすいません。……でもこの一年半、すごく充実していたと思います。だから行ってよかったと思います」
「そうですか、ならよかったです。 またこれからもよろしくお願いしますね」
「はい。よろしくお願いします」
私を見つめて優しく微笑んだ課長は、前よりもずっと優しい笑顔だった。
「瑞紀、せっかく帰ってきたんだし、今日は飲みに行こうよ」
「うん、そうだね。行こう行こう」
沙織と飲むのなんて久しぶりだな、楽しみ。
「頼むから絶対に飲み過ぎないでよね」
「うん、気をつける」
「アンタはただでさえ、飲み過ぎると大変なことになるんだから」
「……うっ」
まあ確かに、大変なことになるけども……。でもそこまでじゃないと思うんだよね……。
「さ、行こう瑞紀」
「うん、行こう」
そういえば久しぶりに帰るな、自分ん家にも、会社にも。
「もちろん、英二も行くわよね?」
「えっ!俺もですか!?」
「なに?イヤだって言うの?」
沙織が英二にそう伝えると、英二は「いえ、喜んで行きます!」と返事をした。
「課長は行きますか?」
と聞いたが、「いや、俺はこれから会食があるからまた今度にするよ」と言った。
* * *