【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「……課長から聞きました。今お付き合いなさっている方がいるんですよね?」
「ええ、いるわよ。……年内には、彼と籍を入れるつもりよ」
そう言われたので、私は「そうですか。それはおめでとうございます」と藤堂さんに伝えた。
「ありがとう。 あなたも頑張ってね」
「ありがとうございます」
「じゃあ私は、これから用があるからこれで失礼するわね」
「はい。お疲れ様でした」
藤堂さんは軽く頭を下げると、私の前からコツコツとヒールの音を立てて立ち去っていく。
「……藤堂さん、結婚するんだ」
藤堂さんとは色々あったから、やっぱりまだ少し複雑な気分だ。
でも幸せになってほしいっていう気持ちは変わらない。 藤堂さんが幸せになってくれたら、きっと課長も安心するだろうし。
「瑞紀」
「はい?」
振り向くと目の前には、私の愛しい人が立っていた。
「……課長!」
「なにしてるんだ?みんな待ってるぞ」
「はい。すぐ行きます」
課長の後をパタパタと着いていく。
久しぶりに見た課長の姿に、少しドキッとする。……課長の背中って、こんなに大きかったんだっけ?
なんだか課長が課長じゃないような気がするのは、私だけだろうか。
そうだよね、だって一年半も会ってないんだもん。 そう思うのも仕方ないよね。
「……瑞紀?」
「はい?」
「おかえり」
課長が私に優しく笑顔を向ける。
「一年半、よく頑張ったな」
「はい」
「今日からまたずっと一緒にいられるな」
その言葉が嬉しくて、私は微笑んで「はい」と返事をした。
「これからもずっと、一緒だからな」
私だってもう課長と離れたくないし、離したくない。 こんなにも愛しい人がそばにいるのに、離れるなんてイヤに決まってる。