【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
■自分の幸せを考えること。
* * *



「瑞紀」

「はい?」

「今日の夜、時間あるか?」

 休憩室でコーヒーを飲んでいると、課長が私に話しかけてくる。
 
「え? はい。でもなんでですか?」

「今日は、瑞紀と一緒に過ごしたくて」

「えっ……?」

 それって……そういうこと、だよね?

「ダメか?」

「いえ、ダメじゃないです」

「そうか、ならよかったよ。 せっかくだから食事でもしよう」

「はい」

 やっぱり課長と一緒に過ごせるのは嬉しい。この日をどれほど待ち望んでいたか。

「どうした?」

「いえ。……課長と二人で過ごすのって、久しぶりだなと思って」

「確かにそうだな。一年半ぶりだもんな」

 課長がアメリカに来てくれたこともあったのだけど、課長の仕事の都合で一泊しか出来なかったから、あの時はちょっと寂しかった。
 一緒にいられて嬉しかったけど、やっぱり一泊ってあっという間だなと思った。

「実は……私も今日は課長と過ごしたいと思ってたんです」

「本当か?」

「はい。……だから誘ってくれて嬉しかったです」

「よかった。じゃあ今日は、とびきり美味しいものでも食べよう」

「はい」

 久しぶりに課長と過ごす時間は、きっと私にとってかけがいのないものであって、忘れられない大切な時間になる。
 課長と離れた分、今度は私が課長のそばにいるって約束したから。 だから課長も、私のそばからもう絶対に離れないで。

「瑞紀、今日この後ヒマ?」

「ごめん。私、今日予定が入っちゃった」

「なるほど……。課長との予定ね」

「えっ!?」

 なんでわかるの!?

「やっぱりね。そうだろうと思った」

「な、なんでわかるの? 私、まだなにも言ってないよ?」

「前に言ったでしょ。アンタのことなら、なんでもわかるって」

「そ、そうだった」
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