【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
いいなあ、結婚か……。
「ところでアンタは、結婚とか考えてないの?」
「えっ、私?」
「アンタまさか、私の話だけ聞いて自分の話はしないつもりだった訳?」
「そ、そんなんじゃないけど……」
私か……。そういや私、自分のことってあんまり考えたことなかったなぁ。
課長といられれば、それでいいと思ってた。
「アンタはどうなの?」
「……どうって?」
「結婚よ、結婚。アンタだってもういい歳なんだから、結婚くらい考えるでしょ?」
沙織にそう言われて考えてみたけど、「……私、あんまりそういうこと、まともに考えたことなかったな」と呟いていた。
「なによそれ。自分の人生じゃないの。結婚したいとか思わないの?」
「もちろん思うよ。 でも課長とそんな話、まともにしたことなかったなあと思って」
課長と結婚したら、どんな家庭になるんだろ? きっと課長は、素敵な旦那様になると思う。
課長は私のことを大切にしてくれるし。
「ねえ、アンタたちって付き合ってもう三年くらい経ってるわよね?」
「あ、うん」
確かに三年は経ってると思う。そう考えるとなんかあっという間だな。
「アンタはどうなのよ?」
「えっ、私?」
「アンタは課長のこと、大好きなんでしょ?」
そう言われて私は「うん」と頷いた。
「で、課長もアンタが好き。なら怖いものはないじゃない」
「うーん……まあそれはそうなんだけど」
結婚か……。課長は私との結婚とか、考えててくれてるのかな?
それとも……藤堂さんのことがあるなら、結婚はもうしたくないのかな?
もし仮に結婚するとなると、課長は再婚になる訳だし……。
「いい?アンタの人生一度きりなんだから、その辺よく考えてみな」
「……うん」
「よく考えて、しっかり決めなよ」
「うん。わかってる」
「瑞紀、アンタには幸せになってほしい」