【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
沙織が真剣な目で私を見るから、私は「ありがとう、沙織」と微笑む。
「いい? アンタにも幸せになってもらわなきゃ、私が困るのよ」
「……え?」
「私、アンタには色々と助けられたからさ。……でもアンタは、いつも自分のことより私のことを心配してくれたから、なんか私が罪悪感を感じちゃったのよ」
「……そんな。私はただ、沙織には幸せになってほしいだけだよ」
「はあ……アンタって人は。 いい?そうやって人の心配ばっかりしてるから、自分の将来が見えなくなるのよ」
自分の将来か……。あまり深く考えたことがなかったけど、もっとちゃんと考えるべきかもしれないなと実感した。
「私の心配してくれるのは嬉しいけど、少しは自分の将来のことも考ないとね」
「……うん、そうだね」
私にはこの先、課長しかいないと思ってる。課長だから、幸せになれると思っている。
もう課長としか、私は幸せになれないきっと。
「一応、考えてたつもりだったんだけど、まだまだだったな」
「自分のこと考えてるなら、もう少し自分のことで手一杯になるでしょ? 人のことを心配する余裕なんてないのよ?」
「そ、それは……」
確かにそれは、沙織の言う通りだ。 私は沙織のことを考えすぎている気がする。
「ねえ瑞紀、お願いだからちゃんと自分のこと考えてちょうだい。私の心配なんてしなくていいから。……それに私はもう大丈夫だから」
「……沙織」
「私はアンタにたくさん助けられた。 だから私はアンタがすごく大事なのよ。すごく大切なの。だから、瑞紀にも幸せになってほしい」
沙織がそう言ってくれたおかげで、私も自分の幸せをもっと考えなければと感じた。