【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□プロポーズは突然に。
「瑞紀、お先に失礼するわね」
「うん、お疲れ様」
「お疲れ様〜」
十六時になり、沙織は退社した。
「ふう……よし」
私は沙織が帰ったのを見送ると、課長にチラッと視線を向けた。
「相変わらず……カッコイイな」
課長っていつ見ても、カッコイイ。横顔が特に美しくて、透き通った肌にキレイな形の唇がいつ見ても好きだと思える。
「先輩、なに見惚れてるんですか?」
課長を遠目から見つめていた私に、英二がそう言ってきた。
「えっ。 べ、別に見惚れてなんてないわよ?」
「今絶対に見惚れてましたよね?」
「見惚れてなんてない」
英二はニヤニヤしながら「いや、見惚れてましたよね?」としつこく聞いてくるから「うるさい。黙ってちょうだい」と英二の背中を叩く。
「先輩、素直じゃないですね」
「うるさいよ、英二。シバくよ」
「……すみませんでした」
英二は相変わらずだけど、全然変わってなかったのが幸いだ。
「ちょっと英二、ここ間違ってるわよ」
英二のパソコンを覗き込むと、入力する数が間違っていたのでそれを指摘した。
「えっ、マジですか?」
「ほら、ここから一行ずつ入力間違ってるよ」
パソコンの画面を指差すと、英二は「あっ……マジですか」とうなだれた。
「落ち着いて、英二。焦っても何もいいことないよ」
「そうですね。……俺ちょっと、飲み物買ってきます」
席を立った英二は、飲み物を買いに出たのだった。
自分のパソコンに目を向けると、課長と目が合って、ドキドキした。
課長と目が合うと、とても嬉しい気持ちになる。幸せだなと思える。