【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「今日はどうしたんだい? 佐倉くんと一緒だなんて珍しいじゃないか。なにかあったのかな?」
常務がそう言いながら、私たちの方に振り向く。
「はい。……実は常務に一つ報告したいことがあり、ここに来ました」
「報告……というと?」
常務は私たちを見つめている。
「はい。 実はこの度、佐倉さんと結婚することになりました」
「ほう!そうかい。 それはめでたい!おめでとう斎藤くん、佐倉くん!」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます」
課長は常務に嬉しそうな微笑みを浮かべている。
「まさか、君たちが結婚することになるとは……これは驚いたな」
常務のその言葉に、課長は「すみません。隠すつもりはなかったんですが」と話していた。
「いやいや、別に謝ることはないよ。 実におめでたい話だ」
「ありがとうございます、常務」
常務は嬉しそうに「それで? 式の日取りとかは決めたのかい?」と聞いてくる。
「いえ、そういうのは全然。……改めて時間を作ってから、決めようと思います」
「そうかい、まあそれがいい。 焦ることはないからね」
「はい。……では私たちは、これで失礼致します」
「ああ、ご苦労だった。 斎藤くんと幸せになるんだぞ、佐倉くん」
「はい」
私たちは「では、失礼します」と常務に挨拶をして部屋を出た。
「……課長、緊張しました」
「俺もだ。 でもすんなり受け入れてもらったみたいで良かったな」
「ですね。良かったです」
私は本当に、課長と結婚するんだな……。私たちは、恋人から家族になるんだ。
ついに……家族になるんだ。