【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「課長、人数分コピーできました」

「ありがとう。じゃあ、自分の仕事に戻ってくれて構わないよ」

「はい」

 私は課長に「失礼します」と頭を下げ、自分のデスクに戻りパソコンを開いた。

「あ、そうだ。 瑞紀、部長が早く決算の報告書出せーだって」

「報告書?……あ、忘れてた!」

 ああもう、すっかり忘れてた……!

「早く報告書出さないと、取引会社と契約できないって、部長がさっき騒いでたよ」

「分かった。 ありがとう、沙織」

 私は小さくため息をこぼし、決算の報告書を作成し始める。
 もちろん今日は残業なんかしたくないから、急いでやった。

「部長、遅くなりました。こちら、決算の報告書です」

 部長に仕上がったばかりの報告書を手渡す。

「うむ、ご苦労だった。もう戻りなさい」

「……はい。お疲れ様でした」

 部長に報告書を提出した後、私は部長に頭を下げ自分のデスクに戻った。

「瑞紀、私今日、先帰るけど大丈夫?」

「うん、大丈夫。じゃあね」

「うん、じゃあね」

 沙織は慌ただしい様子で帰って行った。

「よし、残りの報告書作成しなきゃ……」

 パソコンを開き、報告書の作成を始める。

「先輩」

「なに?どうかした?」

 かと思ったら、英二に呼び止められる。

「この後ヒマですか?」

「え? ああ、まあ……」

「じゃあこの後、一緒に飲みに行きません?」

「え?」

 英二と飲みに……?

「イヤですか……?」

「あ、ううん。いいけど」

「本当ですか? じゃあ行きましょう」

「アンタのおごりならね」

「えっ。……分かりました。今日は俺がおごります」

「決まりね。じゃあ行くわよ」

「はいっ!」

 本当に私の後輩って、聞き分けが良いのか、悪いのか……。
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